2026/7/31
昨日、山中竹春市長の言動に関する第三者調査報告書が公表され、市会全員協議会と総務委員会で、調査委員による説明と質疑が行われました。
報告書では、調査対象となった7つの問題事項について、一部に事実関係を確定できなかった言動はあるものの、項目としてはいずれもパワーハラスメントに当たると認定されました。
さらに、市長の言動によって職員が萎縮し、必要な意見や情報が市長に届かなくなることで、
「将来において行政運営が停滞し、市民サービスの質に影響を及ぼしかねないことが危惧される」との厳しい指摘も示されました。
昨日のうちから、多くの議員がそれぞれの受け止めを発信しています。
私自身は一夜明け、改めて報告書の内容、市長の記者会見、そして議会で交わされた質疑を振り返りました。
今回の問題は、市長と職員との間で起きた一部の出来事ではありません。横浜市役所という組織が、市民のために正常に機能できるのかが問われる、極めて重大な問題です。
調査報告書について
今回の第三者調査では、市長の発言や行為について、多くの関係者への聞き取りや資料の確認が行われました。一部の具体的な発言については、証拠が十分ではないとして真偽不明とされたものもあります。
しかし、調査対象となった7つの問題事項は、項目としてすべてパワーハラスメントに該当すると認定されました。
報告書では、市長が職員に対して圧倒的に優位な立場にあり、その言動が職員の尊厳を傷つけ、精神的な苦痛や萎縮を与え、職場環境を悪化させたと評価されています。
これは、単に言葉が強かった、指導の仕方が厳しかったという話ではありません。
市長に対して意見を言いにくい、必要な報告を上げにくい、間違いがあっても指摘しにくい。そのような組織になれば、行政として正しい判断ができなくなります。
そして、その影響を最終的に受けるのは市民の皆様です。
市長の記者会見
報告書の公表後、山中市長は記者会見を行いました。
市長は神妙な表情を見せながら、今後、自らを変えていく、組織を改善していく、制度を整えていくという趣旨の発言を繰り返しました。
再発防止や組織改善に取り組むことは当然です。
しかし、私が問題だと感じたのは、会見の中心が「これから何をするのか」に置かれていたことです。これに私は違和感を覚えました。
今回、まず問われるべきなのは「これから」ではありません。
これまで市長が行ってきた発言や行為によって、職員が傷つき、萎縮し、組織全体に深刻な影響を与えたという事実です。
市長がこれまで市会で繰り返してきた説明や答弁と、今回の調査結果との整合性も厳しく問われます。
認定された一つひとつの事実を、市長はどのように受け止めているのか。
自らの言動によって職員にどのような影響を与えたと認識しているのか。
なぜ、これほど深刻な事態に至るまで、自らの言動を改めることができなかったのか。
まずは、こうした点について具体的に説明し、自らの責任に正面から向き合う必要があります。
続投を前提とした発言への疑問
会見からは、職員や市民の不安にどう向き合うのかよりも、自らが続投し、改革を進めていく意思が前面に出ていたように感じました。
しかし、今回問われているのは、市長が今後も職にとどまり、自ら改革を進めることではありません。
まず問われるべきは、これまでの言動によって傷ついた職員にどう向き合うのか。そして、失われた信頼に対して、どのような責任を果たすのかということです。
パワーハラスメントを行ったと認定された本人が、自らの主導で組織を改善すると繰り返しても、その改革が本当に職員の安心や安全を最優先にしたものになるのか、疑問は拭えません。
市長の意向に沿った組織改善になってしまえば、今回の問題の本質は何も変わりません。
必要なのは、市長自身の決意だけに頼ることではなく、市長の影響を受けずに機能する仕組みです。
制度の問題とは分けて考えるべき
市長は会見で、「特別職ハラスメント条例」の制定についても繰り返し言及しました。
市長や副市長などの特別職によるハラスメントについて、独立した立場で相談を受け、調査し、是正を求める制度を整えることは必要です。
一方で、自らのパワーハラスメント問題を、制度が十分ではなかったという議論へ置き換えてはなりません。
制度が不十分だったことと、市長自身が不適切な言動を繰り返したことは、別の問題です。
制度がなかったから、怒鳴ることや人格を傷つける言動が起きたわけではありません。
制度を新しくつくることで、これまでの責任まで曖昧にすることは許されません。
「市政運営を刷新する」と訴えるのであれば、まずは市長自身が、組織の健全な運営を妨げる要因となっていたとの厳しい指摘に向き合わなければなりません。
その認識がないままでは、市民や職員の信頼を回復することはできないと考えます。
職員を守ること
今、最も優先しなければならないのは、職員が安心して働ける環境を確保することです。
第三者調査委員会は、調査に協力した職員を特定しようとする、いわゆる「犯人探し」や、人事評価、人事異動などにおける不利益な取扱いを決して行ってはならないと強く求めています。
報告書の内容や職務上の立場などから、誰が証言したのか推測される可能性もあります。
勇気を持って調査に協力した職員が、その後に不安を抱えたり、不利益を受けたりするようなことは、絶対にあってはなりません。
相談した職員の秘密が守られること。
人事上の不利益が生じないこと。
職員の心身のケアが行われること。
そして、不利益な取扱いや報復的な対応が起きていないかを、外部の視点も含めて継続的に確認すること。
市長の言葉だけに頼らない、実効性のある職員保護が必要です。
問われているのは何か
昨日、我が会派を代表して総務委員会での質疑に臨んだこがゆ康弘議員は、調査対象となった7つの問題事項が項目としてすべてパワーハラスメントと認定されたことについて、「クロ。それも真っ黒」と表現しました。
また、行政運営の停滞や市民サービスへの影響まで危惧されたことを重く受け止め、コンプライアンス体制の強化と市長の説明責任について、議会としての役割を果たしていく考えを示しています。
さらに、市長が自ら組織を改善すると述べたことについても、まずは職員が安心して働ける環境をどのようにつくるのかを示すべきであり、パワーハラスメントを行ったと認定された本人が改革を主導することには、強い疑問があるとの考えを示しています。
私も、この問題意識を共有しています。
今回問われているのは、市長が続けたいかどうかではありません。
職員が安心して働けるのか。
必要な意見を自由に述べられる組織を取り戻せるのか。
横浜市役所が、市民のために正常に機能できるのか。
私は、そこに目を向けなければならないと考えています。
議会の役割
第三者調査委員会は、事実を調査し、専門的な立場から評価を示しました。
ここから先は、議会の役割が重要になります。
市長の政治的、行政的責任をどう考えるのか。
職員をどのように守るのか。
なぜ、副市長や幹部職員、人事部門が市長の言動を止めることができなかったのか。
行政組織の機能を、どのように立て直していくのか。
確認しなければならないことは数多くあります。
また、調査報告書では、深夜や休日に市長からの連絡へ対応した時間について、労働時間と評価される場合には、深夜割増賃金の支払義務が生じる可能性があることも指摘されています。
総務委員会では、こがゆ康弘議員が、前人事部長だけでなく、同様の対応をしていた幹部職員や職員がいなかったのか、全庁的に検証すべきではないかと質問しました。これに対し、松浦副市長は「しっかり検証したい」と答弁し、未払いが確認された場合には、法的に支給すべきものは支給する考えを示しました。
私も、この問題は前人事部長だけの問題として終わらせるべきではないと考えています。もし同様の事例があったのであれば、対象となる職員を丁寧に調査し、必要な是正を行うことが、市としての責任ではないでしょうか。
一方で、今後、議会としてどのような手続きや議論が行われるのかは、現時点ではまだ明らかになっていません。
今の段階で結論を先取りすることはできません。
しかし、重大なパワーハラスメントが認定された以上、報告書の公表をもって終わりにすることもできません。
報告書の内容、市長の説明、職員への影響、市政運営への影響を一つひとつ確認し、事実と根拠に基づいて必要な対応を判断していくことが必要と考えます。
市政への信頼回復
市役所は、市長のためにある組織ではありません。
職員一人ひとりが、それぞれの専門性や経験を生かし、市民の暮らしを支えるために働く組織です。
職員が市長の顔色をうかがい、必要な報告や意見を言えなくなれば、行政として正しい判断ができなくなります。
だからこそ、今回の問題は、職場内の人間関係だけの問題ではありません。
横浜市政そのものへの信頼に関わる問題です。
市長には、通り一遍の謝罪や、今後の制度整備を語るだけではなく、認定された事実と自らの責任に正面から向き合うことが求められます。
そして、職員が安心して働ける環境を、市長の意向に左右されない具体的な仕組みによって確保しなければなりません。
私も横浜市会議員として、今後の動きを慎重に見極めながら、市民の皆様に対する説明責任を果たし、市政への信頼回復に必要な議会の役割をしっかり果たしてまいります。
長文をお読みいただきありがとうございました。
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